客に選ばれない店は生き残れない
10月8日のgooニュースのコラムで、「
お客さんの「心」が見えてますか?」というタイトルの、飲食店を例にした新しい販促戦略についての記事が掲載されていたので紹介する。
まず「客に選ばれない店」はどんな一等立地にあっても苦戦する一方、駅から離れた三等地でも常に繁盛している店舗も増えてきたと、“立地条件の良し悪しが顧客獲得を左右する時代は終わった”と述べている。インターネットの普及により、瞬時に大量の情報に触れることのできる現代の消費者は、明確な「来店動機」がなければ店に足を運ばない。そうなれば、いくら広告費を費やして宣伝をしても効果はないという。
それではどうすればいいのか。記事が示すこれからの新しい戦略方法は、これだ。
30代のダイエットに敏感なワイン好きな女性に向けて、ウチはこんなマリアージュメニューがあるんですよ。ダイエットにワインは効く!」と顧客ターゲットを絞ったピンポイント販促をしてみたらどうだろう。「ダイエット、ワイン、健康、オーガニック」といったキーワードでSEOを行い、検索でひっかかるように布石を打つ。すると、不思議に予約や問い合わせが入ってくる…そういう時代なのである
つまり、幅広い客層を対象に“押し”の広告をするのではなく、ターゲットを絞った客層を“引っ張ってくる”戦略を取れということのようだ。
「ペルソナ」活用して顧客の潜在意識を引き出そう
さらに記事では、“「ペルソナ」というマーケティング手法をこの戦略に活用せよ”と述べている。「ペルソナ」とは、店側が「最も重要で象徴的な顧客モデル」を仮定して、その架空の人物を満足させるための手法のこと。新規に開店する場合はもちろん、現在の顧客データから顧客層を分割していき、各層から代表的なユーザー(ペルソナ)を創り上げることもできる。店側は、その「ペルソナ」のニーズ を満足させるためのメニュー提案やサービスに務めるのだ。
ここ数年、ユーザーは検索ツールをパソコンからスマートフォンに変え、検索するのも従来の広告系サイトから、口コミサイトやソーシャルメディアの利用へと重点を移している。店側は、顧客とのリアルタイムでのコンタクトを維持するための努力を強いられる時代になったのだ。ツイッターやフェイスブックで消費者と「つながる」ための戦略を考えなければならない。経営サイドが旧態依然の「本日のおすすめのディナーはこれ、食材はどこそこから仕入れたばかりの……云々カンヌン」という押し付け型のメッセージを発信しているようでは、顧客の心はつかめない。
記事では、その顧客の「顔」を想像して、自店の「ペルソナ」とマッチするようであれば、
「○○さん、今日はどんなお料理が食べたいんですか?」と、「心」にアプローチすべきである
と教える。顧客の潜在心理を引き出し、「この店に行ってみたい」と思わせる「来店動機」を喚起するのだ。
「
押し付ける営業の時代は終わった。これからはいかに顧客を引きつける演出を行なうかで成功が決まる」という発想は、非常に新鮮だ。店側の“自我”(押し付け)を一旦引っ込めて、いかに顧客の欲求を引き出せるか、さらに顧客一人ひとりの顔と心が見えているかが問われる時代がやってきた。
お客さんの「心」が見えてますか?(FOOD STADIUM) - goo ニュース